まず、この度の東北地方太平洋沖地震におきまして被害を受けられた方々には心よりお見舞い申し上げますとともに、折悪しく犠牲になられた方々のご家族の方々には心よりお悔やみ申し上げます。
さて、昨日来より私のカミさんとムスメのケータイに以下のようなメールが届いている。
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1)件名:東日本大地震被災の協力
お友達から来たメールをそのまま転送します↓
できるだけ転送お願い
■お願い■
関西電力で働いている友達からのお願いなのですが、本日18時以降関東の電気の備蓄が底をつくらしく、中部電力や関西、九州電力からも送電を行うらしいです。
一人が少しの節電をするだけで、関東の方の携帯が充電を出来て情報を得たり、病院にいる方が医療機器を使えるようになり救われます!
こんなことくらいしか、祈る以外の行動として出来ないです!
このメールをできるだけ多くの方に送信をお願い致します!
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2)件名:地震の援助について
**転送元のメール**
協力できる方がいらしたら、よろしくお願いしますm(__)m
転送していただけるだけでも助かります。
以下、コピー文です。
**********
どうぞご協力をお願いいたします!!
自衛隊では支援物資を受け付けています。
各県の県庁が窓口です。
まだまだ不足しているそうです。
凍える寒さの中、空腹に耐えて救助を待っておられる方が沢山いらっしゃいます。
状況は、ニュースよりもさらに哀しい状況とのこと…。
現地の方は希望を持って頑張っておられます。
どうかお時間のある方、宜しくお願い致します。
募集品目とご注意頂きたいこと
・衣料、食料、電池、日用品(石鹸やティッシュなど)、ベビー用品を募集しています。
・食料は腐らないもの(レトルト、インスタント食品、栄養補助食品)など。
・特に毛布やカイロなどの暖を取れるものが助かります。
・衣料の場合はサイズごとにおまとめ頂き、分かるように明記ください。
・衣料はなるべく綺麗なものが喜ばれるそうです。
・なるべく1つの段ボールには一種類の商品⇒仕分けの手間が減ります。
・重くなり過ぎない様に。
・「地震支援物資在中」とお書き添え下さい。
送付先
●宮城県県庁 ← 仙台あてはこちらへ
〒980-8570
仙台市青葉区本町3-8-1
[TEL]022-211-2111
●岩手県県庁
〒020-8570
盛岡市内丸10-1
[TEL]019-651-3111
●青森県県庁
〒030-8570
青森市長島1-1-1
[TEL]017-722-1111
●福島県県庁
〒960-8670
福島市杉妻町2-16
[TEL]024-521-1111
【その他全体の取組について】
防衛省 (代表)
03-5366-3111
以上の2つのメール、いわゆるチェーンメールのようである。
まず1つめの節電に関してのメールだが、文章に出てくる「関西電力」のホームページではこのような内容のメールを送信することはないと完全否定されており、関西電力からの送電方法やそのためにとりたてて節電をお願いする状態でもないと明記されている。
次に2つめの支援物資送付お願いのメールだが、先ほど全ての県のホームページや自衛隊のホームページを確認したが一切そのような受付を行っているという文面は見つけられない。
それどころか受付先となっているそれぞれ全ての県で個人からの援助物資は受け付けていないと明記されている。
また、個人的に送付する際には宅配業者を利用することになるのだが、ヤマト運輸・佐川急便・JP日本郵便の3社においては3月13日付けの発表によると青森・岩手・秋田・山形・福島・宮城・茨城の各県あての小包・メール便の引受を停止している。
つまり、この2つのメールは正確な根拠がない状態で書かれたものである可能性が非常に高いものなのだ。
ここで問題なのは「メールの内容を鵜呑みにして知り合いのアドレスに転送信する」ことである。
メールを送信するということはそれぞれのケータイキャリアのサーバーを経由して行われるが、各社のサーバー容量は大きいとは言え限界がある。
チェーンメールというのは実行すればいわばねずみ算式に送信数が増え、その分サーバーに負担がかかると思われる。
何でもない普段の状態なら問題ないかもしれないが、今回みたいな時はそうもいかないかもしれない。
実際に私には茨城に友達がいて地震後に何度かケータイにメールを送ってみたのだがその都度送信エラーではじかれ、ようやく昨日(3月12日)になって安否の確認ができたのだ(しかも別の友達に入ったメール経由で)。
通信に使われる電波も無限ではない。
各社ケータイキャリアに割り当てられている周波数帯は決められていてそれ以外の周波数帯を使用することはできないために、同一周波数帯に大量にデータが集中すれば当然のことながらつながりにくくなる。
被災地では現在ほとんど通信手段がダウンしており、友達の地域のようにケータイメールのみが通信手段というところも多いだろうし、もしかしたら何も手段がない場合も考えられる。
大事なのは本当に必要な通信のためになるべくムダな通信を行わないことだろう。
つまりチェーンメールのようなムダなことは控えることが望ましいということだ。
私たちに何も出来ないわけではないだろう。
例えば1つめのメールの節電については理解できる。
周波数の違いののために送れる電力量は決まっているだろうが、それでも節電をしていれば地域内の電力量に余力ができるので不自由はしなくなるだろう。
物資は送れないにしても報道グループ各社などの団体が窓口になって義援金を受け付けている。
Yahoo!やT-POINTなどはポイントを義援金として寄付できるようになっている。
結局最後はお金が一番必要になるのは間違いないわけなので、このような団体を通じてお金を送るのもいいだろう。
このブログをはたしてどれだけの方がご覧になっているかはわからないが、もしこのブログをご覧になった方は上記の類いのメールが届いたら友達等への送信を控えていただきたいと思うのである。
最後に亡くなられた方々のご冥福と、被災した方々や地域の一刻も早い復興をお祈りしております。
■追記(2011-03-14 08:45:00)
誤解を招きそうな内容なので追記します。
おそらくこの2通のチェーンメール自体も受信された人が知り合いに送信する行為そのものも「その人の善意」から発生しているものだということは理解していますし、その思いについては心から敬意を表しますと同時に行為自体を否定するものではありません。
ただ、昨日(3月13日)茨城の友達から直接メールが届いたのですが既述の通り通信手段はケータイメールのみで音声通話が全く出来ない、しかもケータイメールも確実に使用できるわけではなく送信エラーではじかれることも多いそうです。
これはおそらく使用周波数帯が混雑しているのがひとつの原因と考えられます。
本当に情報が必要な人たちが使えるようにと思ってこのような内容になったわけで、だからタイトルにも「お願い」とつけた次第であります。
このブログを見て不愉快に思われた方がいらっしゃいましたら心よりおわび申し上げます。
■■関連リンク■■
○関西電力ホームページ
○防衛省・自衛隊ホームページ
○宮城県/災害・防災情報
○岩手県-企業からの物資の受入について
○青森県庁ホームページ
○福島県ホームページ 平成23年東北地方太平洋沖地震について
○ヤマト運輸-荷受けの一部再開について
○佐川急便-東北地方太平洋沖地震の影響について
○日本郵便-ゆうパック等の引受停止について