昨日の夕方、ウチのムスメが帰ってくるなり話してくれた内容、あくまでも彼女の話す事のみを要約するため完全に正確な内容とは断言できないとあらかじめお断りしておく。
大学の講義の中で先生が「これまでに出会って良かった本はあるかと生徒に尋ねたら、ほとんどの場合は「ない」という回答で「ある」と回答した人でも推理小説みたいなものをあげる。私に言わせれば本というのは研究を対象にした内容のものであって小説のようなものは本ではない。」みたいな事を言ったらしい。
その後にマズイと思ったのか少々取り繕う言葉はあったらしいが、前言を撤回する事はなかったそうな。
小説などの読み物が大好きなムスメは相当ご立腹で、講義中はなんとかこらえてたらしいのだがその時のムスメの顔つきがかなり怖かったらしく友達からなだめられたといい、帰ってきてからも怒りが収まらずに私らに内容を話してくれたわけだ。
この話を聞いた私も「それはすごいなぁ(笑)」と思ってしまった。
一応ウチにある「広辞苑第四版」で「本」をひいてみると第6項に「書籍。書物。」とある。
当然小説などの書物も「本」と定義されるのである。
この大学の先生の論法からいけば極端な話、芥川竜之介や森鴎外、村上春樹などの作品も本とは言えなくなる。
ノーベル文学賞作家の川端康成の作品やシェイクスピアの数々の作品なども研究を対象に書かれたものではないので否定されるのである。
まぁ、とりかたによっては文学界全体を敵に回すようなすばらしいお言葉だったのである。
ムスメには大学の先生の中には変わった人も多いからとなだめはしたのだが、この先生も少々考えて発言されたほうが良いのではと思ったのも事実だ。
考え方は人それぞれ自由だし発言もそこそこ自由だとは思うが、考え方を強要するような発言はどうかと思う。
冒頭に書いた生徒への質問、このように質問されたらされた側は当然小説のようなものも候補に挙げるだろう。
それが研究を対象とした内容の物でない場合にそれを本ではないと否定する事は日本語の使い方としては間違いである。
質問の段階で「研究を対象とした内容」とか「学術書」とか条件をつけるべきなのである。
揚げ足をとるつもりではないのだが、公的に発言力のある立場の方がこのような誤解を招くような言葉遣いをするのはどうなのかなと思ってしまったのだ。
もちろんこの方が完全に本心で文学界全体を敵に回してもかまわないと考えてでの発言ならしょうがないのだが(笑)。
ムスメをなだめながら、面白い人がいるなぁとか言葉遣いには気をつけなきゃなぁとか思ったのである。
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