機動戦士ガンダムUC RE:0096

 相変わらずのガンダムである。

この間の日曜日(9月18日)、「機動戦士ガンダムUC(ユニコーン) RE:0096」が最終回を迎えた。
オリジナルは2014年に最終巻が発売されたOVA版「機動戦士ガンダムUC」である。
まもなく宇宙世紀100年を迎えようとするUC0096年が舞台、ジオンの姫でありザビ家の生き残りミネバ・ラオ・ザビ(オードリー・バーン)とアナハイム高専に通うバナージ・リンクスが主人公の、いわゆる一年戦争の完結版と考えてもいい話である。
地上波での放送が始まる、しかも日曜朝7:00から(いわゆるニチアサキッズ枠)と聞いた時に「このストーリーをこの時間帯で放送してファンがつくのか?」と心配したものだし、実際にはどれくらい数字がとれたのかも私にはわからない。
まぁ、それでも何かのためにと全話録画をかけていた。

基本的にはOVA7巻分をおおよそ20分ずつ切り出して、アバンなどでうまく30分番組に作り上げていた模様だ。
内容もOVA版と全く同じで、ストーリー上の新作カットも入っていなかったようだ。
オープニングやエンディングの映像も観る限りほぼ本編内にあったものをエフェクトをかけながら上手くつないだと思われる。
それでも編集点の都合だろうか、一話だけのスペシャルオープニングやエンディングもありなかなか楽しめた作品だった。
また、これはサンライズのアニメーターでこの作品の作画もされた野崎さんに教えていただくまで気付かなかったことなのだが、「彩色の部分で若干手を加えられたところが何ヶ所かある」とのことだ。
詳しくは書けないのだが、実際に教えていただいたシーンを確認すると確かに更に完成度をあげられており、あらためてすごい作品だと感じた。
両方お持ちの方は変わった所を探してみるのも一興かと思う。

地上波放送期間に何度も野崎さんとLINEでやりとりさせていただいたが、放送回のシーンを思い出しながらこの時はこんなだったなどと色々と興味深いお話を聞かせていただいた。
その中で「UCは一番最初の時点で作画を含めた全てにおいて要求されたクオリティがものすごく高く、しかもそのレベルを終始維持して完成させる」ことが決まっていたといわれたのがとても印象深い。
アニメを長年観てきた人ならわかるだろうが、UCの映像は作画の質や3DCGの緻密さ、そして背景やエフェクトを含めそれらが合わさった時のマッチングの良さ、全てにおいてこれまでのどのアニメ作品と比較しても類を見ないトップクラスの作品である。
おそらく、今後これだけの完成度に至る作品はもう出てこないかもしれない。
なぜならUCのように手描き作画でこれほどまでの動きを出すためには確実に作画枚数が増え、しかもその作画一枚の情報量が多いということはそれだけ作画に関わる人間が増えることを意味するからだ。
アニメ業界も今やコストパフォーマンスが物を言う時代である。
ヱヴァンゲリヲン新劇場版を見てもらうとわかるが、かなりの部分を3DCGで賄うことでコストを下げていると思われる。
手描き作画はどうしても人がやるものなのでそれだけ人件費も必要になるということだ。
そういう意味でUCはとても貴重な作品となるだろう。
あらためて是非ご覧いただきたいと声を大にして言いたいと思う。
さて、野崎さんは現在「機動戦士ガンダム 鉄血のオルフェンズ(地上波・第二期)」にかかられている。
10月からの放送が楽しみであると同時に、野崎さんはじめスタッフのみなさまにお身体にお気を付けてと申し上げたい。

■■サイトリンク■■
○機動戦士ガンダムUC RE:0096 オフィシャルホームページ
○機動戦士ガンダム 鉄血のオルフェンズ オフィシャルホームページ

あんあん について

1967年 長崎県島原市生まれ ガンダムとMacとF1をこよなく愛するおぢさん。 タイトルの(Z)は「ゼータ」と読んでね。
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